一級建築士事務所 基本フォルム|クライアントインタビュー。

 
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クライアントインタビュー


A学園教育研修所のクライアントの方にインタビューにうかがいました。

   


2010年12月
インタビュアー 基本フォルム スタッフK

インタビュー対象:A学園(A)-事業主 ,プロジェクトマネージャ-(P) ,基本フォルム高橋(T)-設計


■お付き合いのきっかけは?

(A):2007年、A学園では、それまで使用していた教育研修所が手狭になってくるにともない「研修所の設計の出来るところで大阪府下で他にないだろうか?」と探しており、いつも信頼を置いている建設業者さんに相談したところ、からかねてよりHPなどで気になっていたという基本フォルムさんを紹介されました。最初の面談の折に高橋氏のヒアリングは用途に関するものにとどまらず、研修に関する思いや周辺環境の中でのあり方、災害対策など綿密なものでした。その後3社で設計コンペを行い、その中で基本フォルムさんは他社にない面白い形のなかにもしっかり要望が反映されていること、柔軟な解釈ができる能力があると判断し、設計を引き受けていただきました。

 

■設計段階でのことを教えてください。

(P):基本計画段階をもとに定例会議を進めるのですが、最初の案をベースに学園の役員、教員の皆様方はみな教育に対して一家言ある個性のある方々ばかりで意見のまとめに大変苦労しましたが、基本フォルムの高橋さんもその都度プランの修正や面積調整など良くお付き合いしていただいたと思います。

(T):A学園様には原則的に設計者を信頼するといった空気があり、建物のソフトに関する打合せの後は、ハード面ではかなり自由にさせていただいたのも事実です。役員様から「まかしとったらええ。あんまり言うと設計士さんノイローゼになるわ」とおっしゃられていたのが印象的です。あの言葉はなかなかいただけるものではなく、むしろ頑張らないといけないと素直に思いました。

   

 

■敷地配置計画その他ではどのような配慮がありましたか?

(A):海に面した自然公園内でのプロジェクトですから、津波対策をはじめ、眺望の扱い、前面道路に対する空間的処理、隣接するロッジへの配慮など、多くの提案がありました。法令に適合することはもちろんですが、設計はそれ以外の公への配慮が大事だという自立した姿勢も評価できます。

下水などのインフラが未整備な地域ですので、行政や水利関係者との調整にもずいぶん走りまわってもらいました。


ポイント
*行政の発行する津波ハザードマップから想定される津波の高さをクリアできる高床式にしたこと。
*前面道路がカーブしているので衝突事故に配慮し正面玄関以外に通用口を設け、駐車場をそちらに多く取ったこと。
*道路に歩道が無く、歩行者への配慮から植え込みをセットバックさせたこと。
*海と反対側にあるロッジの眺望をできるだけ妨げないように、建物位置を調整。
*既存樹木を残しながら外構計画を行ったこと。

(T):都市部と違い、敷地が広いので何に根拠を置いたらいいかというのは逆に難しい面がありました。そこは大きな建物全体の配置に加え、内部の、例えば水平線が一番よく見える位置に浴室を持ってくるとか、こうやれば道路側と部屋側からの視線がぶつからないとか、1階の部屋からも丁度いいポイントを押さえるといったように、内部と外部を兼ねて良い場所を配置させることに意識を集中しました。

 

 

■建築計画中にはどのようなやり取りがありましたか?


「研修室-応接室-休憩室、寝室」の面積配分や動線をまとめるに当たっては、関係者一同への説明
、行政との調整やコスト配分なども含めて大変な苦労があったと聞きます。

(A):組織であれば当然こういうことはクリアしていかなければいけません。Pさんもプロジェクトマネージャーの立場からずいぶん骨を折ってもらいました、同時に建築計画そのものについては橋さんに直接説明に回ってもらっています。

(T):Pさんとは随時連絡をとり、また詳細な打合せを重ねて問題が無いか協議していました。建築をする以上それらを苦労とは思いません。むしろ設計者にとって進めやすい部分のほうが多かったです。

ポイント
*応接室の面積増
*宿泊スペースと応接室の区分
*研修室と自炊スペースの区分、使い方。
*効果的な屋上スロープの勾配、配線を含め設備機器を外部に見せない建築設備の景観への配慮。
*海やリアス式海岸の緑の景観を堪能するための動線計画。視界の取り方。
*人が不在の期間が長いための、通風・採光と防犯対策の両立。
*火災時の避難経路や排煙方法、自動火災報知機などの防災装置、セキュリティシステム


■意匠計画についてはどう思われましたか?


(A):建築家高橋俊介さんからの提案である
「Good view(グッドビュー)」
「Simple(シンプル)」
「excursion(エクスカーション=回遊)」を設定し、このデザインポリシーに沿って、あちこちの形が決められて行きました。特に2階の中庭や休憩室からは自然の景観、海や山の他に外部の人工物を極力見せない工夫がありました。
具体的には建物の「眺望のため張り出したバルコニー」や曲面カーブを描く屋根、中庭を囲う白い壁のデザインなどが挙げられます。屋根から徐々に水平線が見えてくる視界の変化は圧巻です。また、その屋根の下の建物全体には統一感があり、どこにいても開放性を損なわない空間処理からは訪れるごとに新しい景色を発見します。

 

■工事現場ではどうでしたか?
 
(P):当社創業以来の意匠性の高いプロジェクトなので、JVで工事を担当したN建設のSさんは常駐であることはもちろん、設計の高橋さんやスタッフの方も遠方にかかわらず週1、2回現場に来られ、進捗を随時確認していました。N建設さんと仕事をするのは初めてでしたが、そこはお互いのやり方に固執せず、協調し合いながらことを運ぶように心がけました。Sさんも熱意をこめて仕事をしてくれましたが、高橋さんをはじめ基本フォルムのスタッフの方々もそれに負けじと熱意をもって取り組んでくれました。
ある程度の規模を持った建築工事ですから、当然途中でいろんなことが起こります。しかし、皆問題点をしっかり受け止めながら一つ一つクリアしていくことで、当初困難に思えた事柄も解決することが出来、無事竣工させることができました。足場が取り払われた時はそれはもう感無量でした。



 


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■基本フォルムへの評価

(A):自分たちでは考え付かないようなアイディアを苦労もあったでしょうが、常に前向きに提案してくる発想力はさすがと言わせるものがあります。
どうやってこれだけの要望をまとまった形にしていくのか、頭の中をのぞいてみたいと思いますが、それが出てくるのを待つのもまた楽しいものです。
その他の建物の相談に乗ってもらっている時も緻密にチェックが行き届いているので安心感があります。

(P):基本フォルムさんはデザインのみならず、なにか問題があった時の冷静な解決能力があり、我々が感じていたのは「ねばり強い」「手を抜かない」ということでした。プロジェクトを進めるに当たって、意匠・構造・設備の全体をまとめ上げるのはやはり高橋さんですから。長い期間にわたって、緊張感を維持するのはエネルギーのいることですが、よく頑張ってくれたと思います


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■その後のこと

(P):その後、隣接する果樹園の計画や、園舎の定期検査や相談事も通じてますます親交が深まったわけですが、高橋さんが引き続き関わられていると聞いて、本当に良かったなと思っています。



■A学園様への高橋俊介氏の感謝のことば


恵まれたプロジェクトの中で、ユーモアがある一方、仕事には厳しく決断の速いA学園の役員様、加えて教育の現場で日々奮闘しておられる教員の皆様に教えられたことがたくさんありました。
自分の建築人生の重要な時期・・というだけでは無く、それを超えた人間的出会いとして、私の心のアルバムにしっかりと綴じ込んであり、これから事あるごとに、またそのページを開かせて頂くことでしょう。本当に有難うございました。

 



     
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