大阪・奈良の建築設計事務所:一級建築士事務所 基本フォルム。多孔質のフィールド。
 
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多孔質のフィールド

アイディアコンペティションの応募作品。
純粋なペーパーアーキテクチュアを考察


絵画を見ること、風景を見ること。その間を結びつける前提条件は私たちの生活体験に基づく経験である。
私たちの記憶は初めて見る景色に対しても何らかの体験を呼び覚ます。あるいは居場所や生存の可能性を見出す。その自律的なはたらきは経験をバックグラウンドにしつつ半ば本能的なものである。経験を豊かにすること は絵画鑑賞の味わいを豊かにするが、また絵画との出会いも経験の蓄積である。鑑賞行為とは合わせ鏡のように経験と認識の間を揺れ動く、綿々と連続する活動である。 感動とはその副産物である。

人格そのものが描かれる肖像画の背後には、その人物が置かれてる背景が描かれているが、画家の創作の間それらは加筆され揺れ動く。なぜなら背景とはその肖像として描かれた人物の生きている環境であり棲家であるからだ。肖像そのもの以上にその人物を物語る宿命を帯びている。そして同時に画家はその背景の中に自らを投じている。やがて画家の手を離れた絵画は社会的に共有されるがその認識は 当然各個で異なる。絵画に描かれたその背景は今度、鑑賞者(主体)の経験から沸きあがるイメージの写像となる。そのとき描かれた背景と鑑賞者(主体)の背後を取り囲む世界とは認識の中で連続したものとして成立する。描かれた肖像が存在者として成立するためには、私たちが事実生きている背景 が必要であり、それを自覚する主体のあることが前提である。

副題−広大な背景を自覚するためのフィールド−
円環の中に描かれたスケールの設定されていない一種の風景。フラクタル幾何学を指向した多孔質の物体 。ノンスケールであることはすなわち鑑賞者の意識によって極小から極大になりうる。見方によっては上空から見た地形と捉えられるかもしれない。人物のいない未知の場所。この中に肖像が描かれるとすればそれは鑑賞者から生まれたものである。フィールドというキーワードのみが鑑賞の方向軸を促す。出来ることなら言葉を用いず身を沈めるように絵画と対峙することである。言葉からフリーである時、絵画は本能的に私たちの後ろに広大な背景があることを語りかけてくるだろう。



 
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