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どんな場合でもそうですが、空間に何かを新たに設置すると、元々の空間の性質は少なからず変化します。このガーデンはロケーションに恵まれていましたが、実は、やや雑多な印象を与えるのが難点でした。計画は求められた施設をただ設置するだけでなく、そこにあることでかえってこの庭を修正してしまえないか、それも必要最小限の大きさで、目立たずに、普段は庭の一部分としてたたずんでいるようなさりげなさで庭を整え、いざ使われる時には花が開くようにそれが人の行為とそのロケーションを結び付け、この庭のよさを拡大して引き出すことができないかと考えました。バー施設を作るというよりは作庭行為に近い考え方です。そのためにまず、ロケーションから形を注意深く導き出す手法をとることにしました。 |